ビオレ デオドラントZ エッセンス 1セット(30g) 花王 ..
当初のターゲットは皮脂の分泌が多い「ニキビに悩む若者」で、「洗顔フォームで洗う新習慣をつくった」とビオレのブランドマネジャー・小林達郎氏は指摘する。ブランド名はギリシャ語に由来する造語で、「満ち足りた生活」を意味する。なおビオレの洗顔・洗浄料は99年に健康な肌と同じ弱酸性に変更したが、10年ごろから再び中性を採用。25年春には、さらなる進化を遂げる見通しだ。
スキンケアを日用品に浸透させてきたビオレの歴史は1980年、チューブ入りでペーストタイプの「洗顔フォーム」から始まる。当時はアルカリ性の固形せっけんで洗顔するのが一般的だったが、肌が乾燥してつっぱるのが難点だった。そこで「優しく洗い上げる洗顔料が作りたい」と、肌に近い中性の洗浄成分で作ったのが原点の洗顔フォームだ。
時間を戻すと84年には、泡立ちの良いボディソープ「ビオレU」(現ビオレu)を投入。「せっけんにかわるビオレU」をうたい、ボディソープ普及の火付け役になった。
ビオレ ザ ボディ 泡で出てくるボディウォッシュ シャワー ..
その後のビオレの発展は、「カテゴリー拡張に果敢に挑んだ歴史だった」と代々のブランド担当者は口をそろえる。特に88年に、「社会進出で多忙になった若い女性に照準を定めたことが大きな転換となった」と当時の商品開発担当だった忽那公範氏は振り返る。同年に1本でメイク落としと洗顔が同時にできる洗顔料を生み出し、92年にはその頃のメイク用品の原料に多かったシリコンを落とせる進化版を追加。入浴時に使える簡便性が、女性の心を捉えた。このヒットで「『簡単・便利』に金鉱を見いだした」(忽那氏)という。
スキンケアの国内トップブランドである花王の「ビオレ」。販売の約7割を占める洗顔料、洗浄料を基幹に、日焼け止め、汗ケアなど肌にまつわる多彩な領域で商品を展開する。ほとんどのカテゴリーでトップシェアを獲得し、年間売り上げは今や1000億円超。2024年も前年比4%増を見込む。同社では衣料用洗剤「アタック」と肩を並べる存在だ。
商品の幅は広がっても、そこには脈々と受け継がれている「ビオレらしさ」がある。それは「肌に優しい」「効果が実感できる」「日々使いたくなる」「使い勝手や使用感がいい」という4つの原則だ。また新技術を意欲的に投入してきた一方で、新たなカテゴリーに参入する際は、実は後発であることが多かった。「生き残る商品にするために、明確な差別ポイントが必要でした」と高鍋氏は明かす。例えば前出の毛穴すっきりパックの場合、ペースト状の角栓取りなどは存在したが、「化粧品メーカーが販売する高価なものを、手軽な日用品に落とし込んだ」(忽那氏)のが成功の要因という。
一方の「泡」もビオレが長くこだわってきた部分だが、04年の「泡で出てくるハンドソープ」によって、今ではせっけんのスタンダードになった泡タイプ分野を確立した。
新生ビオレZ を世に送り出せ。コロナ禍の新入社員の挑戦。 ..
ビオレの成功パターンの多くが、このように時代の潮流と消費者の変化を見極めたうえで、視点を変えて新たな提案をする“ちょいずらし”戦術によるといえるだろう。しかも、“ちょいずらし”の幅を可能な限り細分化し、潜在需要にきめ細かく応えることで、「国民的ブランド」と形容できるほどにまで成長を遂げた。24年秋時点で、日焼け止め1つ取っても約10種、洗顔料も30種を超える。「例えば日焼け止めならば、使用場面や機能によって求められるものが違います。様々な悩み事に応えることで、新市場を切り開いてきました」(高鍋氏)と自負する。
ドナルドデザインの「ビオレu」泡ディスペンサー、数量限定販売.
「今後もお客様の肌の困り事を解消する『お役立ちブランド』でありたいと思います」と小林氏も同意。「社会的有用性」は70年代から花王が提唱してきたテーマだが、コロナ禍以降「ビオレの“顔”が消毒液や猛暑対策のシートになるなど、商品の潮流が社会の動きにより密接につながっています。“生きている”ブランドなのだと実感しています」(小林氏)。